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マインドフルバーシングとは?

​What's "Mindful Birthing"?

​マインドフルネス

  わたしたちは、過去のことをくよくよと考えたり、将来のことをあれこれ考えたりして、今、目の前で起こっていることをじっくりと味わわないまま、日々時を過ごしています。一日の半分以上の時間を「マインドレス」(Mindless=心ここにあらずの状態)で過ごしています。そしてそれはとても脳を疲れさせることが分かっています。

 日本マインドフルネス学会では、マインドフルネスを

「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義しています。そして、この「観る」には、「見る」「聞く」「嗅ぐ」「味わう」「触れる」さらに「それらによって生じる心の働きをも観る」という意味が含まれると付け加えています。

 人は瞑想を通して、何千年にもわたって心の平安と豊かさを得てきました。瞑想を、わかりやすく、取り組みやすい形で医療に取り入れたのがジョン・カバットジンが開発したマインドフルネスストレス低減法(Mindfulness-based Stress Reduction: MBSR)です。1979年、マサチューセッツ大学メディカルセンターで始められたこのプログラムは、世界各地で様々な心身の問題を抱える人々に提供され、研究が重ねられてきました。その結果から、ストレスの軽減、痛みへの対処、生活の質の改善など、心身に対する様々な効果があることが分かっています。

​マインドフルバーシングMindful Birthing

MBSR(マインドフルネスストレス低減法)を元に、妊娠・出産に備えるためのプログラムとして開発されたのが、マインドフルバーシング(Mindfulness-based Childirth and Parenting: MBCP)です。妊娠や出産は人生の中でもとても大きなライフイベントの一つであり、大きな変容の経験でしょう。大きな喜びであると共に、大きなストレスにもなり得るので、感情的・精神的な準備が必要なのです。

どんな状況にあっても “今、ここに存在すること”、 “今ここに存在する安らぎの中に根付くこと”。

妊娠・出産、そしてそれに続く子育てを、大切に味わいながら、期待に反した、予期せぬ出来事や、様々な難しい状況を乗り切っていくためには、賢明な知恵と熟練したスキルが必要です。

マインドフルバーシングを学び、実践することを通して、そのような知恵とスキルが備わり、しなやかな強さ=レジリエンスが身についていきます。そして、その知恵とスキルによって、その後の人生にわたって自分自身と家族を支える土台を築くことができるでしょう。

妊婦とパートナーのためのマインドフルバーシングは、1998年 助産師でありMBSRのトレーナーであるNancy Bardacke(ナンシー・バーデッキー)によって開発されました。Nancyはこれまでアメリカを中心に、ヨーロッパ、オーストラリア、アジアの各地で1500組を超えるカップルに対してマインドフルバーシングを教えてきました。また、マインドフルバーシングを教える講師の養成にも取り組み、今や世界各地でマインドフルバーシングが教えられています。オックスフォード大学やUCSFなどにおいても、マインドフルバーシングのクラスが一般の妊婦やパートナー向け、また医療者向けに提供されています。

日本でも、このマインドフルバーシングを広めていくために、マインドフルバーシングジャパンの活動が始まりました。

​マインドフルバーシング実践による効果

・深い身体的、精神的なリラックスが得られます

・陣痛に対する恐怖や、実際の陣痛への対処法が学べます

・妊娠/分娩への自信と勇気が増します

・ポジティブな経験、ネガティブな経験の両方に対して、あるがままを受け入れられるようになります

パートナーとのコミュニケーション能力が高まります

・子育てで感じるイライラや怒りをコントロールしやすくなります

このマインドフルバーシングプログラムでは、マインドフルネスを妊娠から分娩、母乳育児、産後にわたって生かせるように学び、実践していきます。このプログラムの目的は、マインドフルネスを実践し、出産の痛みや恐怖、育児を含めて日常のストレスへの対処法を学ぶことです。どこで、どのように、誰の助けを借りて出産するかに関わらず、あなたとパートナー、家族にとって必要な助けとなる心と身体のしなやかさが得られます。そのしなやかさは、出産を経験する瞬間ごとに必要なものです。

マインドフルバーシングの歴史や、その効果についての研究、NancyBardackeについての情報については www.mindfulbirthing.org(英文)でご覧いただけます。日本語の翻訳はこれから随時提供してまいります。出版されている書籍Mindful Birthing: Training the Mind, Body, and Heart for Childbirth and Beyond (英文)や、このvideo(英語)についても、これから日本語版を出版できるように準備中です。

マインドフルバーシングジャパン

目的 日本を拠点にしたMBCP広報活動とクラス運営統括

​活動内容

日本での活動を活発化させるため、日本語でのMindful Birthingの紹介、日本語&英語でのコース開催や関連勉強会・講演会の開催情報の集約、翻訳などの中心となる団体として活動を行っていく。

*本活動は『ファミリー・レジリエンス・プロジェクト』と協力・連携しています。

​​主催メンバー: 戸部浩美 丹家歩

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